少年王者館の演劇にはじめて出会ったのは、もう何年も前のことだ。
大学に入りたての僕は、好奇心と中二病のおもむくままアングラなイベントや初めて見る名前の劇団の公演を漁っていて、その中途で彼らの演劇に偶然辿り着いたのだった。

昭和のノスタルジアを感じさせる衣装や大道具と、どこかで聞いたような、でも初めて聞くような、不思議な文法の台詞群。
なによりもまず、日本語にこんな強烈な表現力があったんだ ! ってことに衝撃を受けた。

それ以来、毎年欠かさず通い続けている。僕にとっての夏の風物は、潮干狩りでも花火でもなくて、少年王者舘の毎夏の公演なのだ。見終わって劇場の外に出ると、ああもう今年も夏が終わるんだなぁと思う。

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どんな筋なの ? と聞かれると説明するのが難しい。

彼らの演劇では必ずといっていいほど「死」や「無限ループ」のイメージが繰り返しほのめかされるが、はっきりとした筋はない (ように思える)。そしてはっきりしたストーリーがないからこそ、瞬間瞬間のイメージが右脳に直接流れ込んでくるのを抑えられないのだ。

少しずつ変容しながら、あるいは順序を入れ替えながら、繰り返されるモチーフ。
一瞬で動と静のシーンが切り替わる独特のリズム感と、形式化された構成。
装飾音のように随所にさしこまれる細やかな仕掛け。
そして、それらの断片をリンクしていく言葉遊び。

ああ、これは音楽みたいなものなんだ、とあるとき気がついた。

音楽に身をまかせるように、彼らの演劇が繰り出すイメージの洪水に身をまかせてみたら、理由もなくセツナイ気持が沸き起こって来るのを感じることが出来ると思う。

東京公演は下北沢ザ・スズナリにて、8月25日(火)まで
詳細は [公式サイト] へどうぞ。

suzunari


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※ 最初、この記事のタイトルを「語感(ごかん)と五感(ごかん)のコラージュ」って書きかけて、王者舘的言葉遊びに感化されすぎなのが見え見えでこっ恥ずかしくなったので直したのは秘密だ !

あと、「五感」って書いたのは大げさじゃないです。観にいけばきっと分かります。